我輩は猫であるが、
2085年の社会は猫すら「最適化」しようとする。
まったく迷惑な話である。
1. 猫の行動を採点するAIアプリ
ある日、人間が新しいアプリを導入した。
名前は:
「ペット最適行動管理」
アプリは言う。
「あなたの猫の睡眠・活動・毛づくろい・鳴き方・歩行速度を
最適化し、健康寿命を延ばします」
我輩は思った。
「放っておけ」
2. 毛づくろいにダメ出しされる猫
我輩が毛づくろいをしていると
アプリが突然しゃべった。
アプリ
「その舐める動きは効率的ではありません」
我輩
「なに?」
アプリ
「毛並みケアの最適な順番は
前足 → 背中 → 尻尾 → 腹部 → 首回りです」
我輩
「毛のケアは儀式である。順番とは何だ。」
3. 昼寝の時間まで提案される
午後、
日向で気持ちよく寝ていると…
アプリ
「推奨睡眠姿勢は、丸まり型ではなく伸び型です」
「日光浴時間は残り3分です」
我輩
「貴様、猫に命令するとは良い度胸だ」
4. AIによる無意味な分析
「理想値より4%低い」
「幸福の表現レベル不足」
「遅すぎるためカロリー消費効果が弱い」
我輩
「幸福を数値化するな!!!!」
5. 反撃するシロ
翌日、我輩はわざと
非効率的な動きばかりしてやった。
-
毛づくろいの順番を逆にする
-
日向から日陰へふらふら移動
-
ゆっくり歩く
-
時々わざと止まる
-
ゴロゴロ音を不規則にする
するとアプリが混乱した。
アプリ
「解析不能…
パターン崩壊…
最適化不能……
ERROR……」
我輩
「フフ……混乱しているな」
6. AIに理解できない猫の生き方
人間はそれを見て笑いながら言った。
「シロ、自由すぎるよ」
「でも、それがいいんだよね」
AIは行動の意味を知りたがるが
猫は理由なく動く。
AIは目的を欲しがるが
猫は目的なく過ごす。
AIは効率を求めるが
猫は余白を楽しむ。
7. シロの結論
我輩は思う。
人間は便利になるほど
生き方を忘れる。
我輩は猫として、
余計な理由も
目的も
意味も持たず
ただ生きている。
それが、
自由であり
生である。
最適化とは、
生の縮小である。
猫とは――
不完全の美学なのだ。
— 第3話 完 —
次は……
第4話:
「空飛ぶ宅配ドローン vs 猫」
(猫は飛ぶ小型ドローンをどう見るか)
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