2055年のぼくにとって、一番の疑問。
それはこれ。
「2025年の人間は
悩んだら“人間”に相談していた」
これが衝撃だった。
1. アドバイス効率ゼロの相談方法
例:
Aさん
「最近仕事が辛くて……」
Bさん
「そっかぁ……大変だねぇ……」
ぼく
「それアドバイスなの!?」
別の例:
Aさん
「彼女に嫌われた気がする……」
友人
「気のせいだよ、多分」
ぼく
「データなしの適当励まし!?!?」
2055年のぼくたちは……
-
悩み → AIに分析依頼
-
精神状態解析
-
最適な処方言語
-
未来予測
-
言葉の選択
-
行動改善案提出
すべて自動。
でも2025年は――
「とりあえず聞いてくれるだけ」
2. 相談=解決じゃなかった
でも資料を読んでいて気づいた。
2025年の相談は
解決のためじゃない。
こんな言葉があった:
「ただ聞いてもらえるだけで楽になる」
「話してるうちに整理されてきた」
「ちゃんと共感してくれるのが嬉しい」
ぼく
「あ……」
相談って
答えじゃなくて
“共感”だったのか。
3. 泣いたら隣で背中を叩いてくれた
記録に残っている話:
-
泣いたら、友達が黙ってそばにいた
-
辛いと言ったら、同僚が飲みに誘ってくれた
-
落ち込んだら、家族が話を聞いてくれた
それは AI ではなく
人間だった。
ぼくは思った。
その存在感……
AIにはできなくない?
4. 間違ったアドバイスも味わいだった
こんなケースもあった。
Aさん
「彼女にどう言うべきかな……」
友人
「まあ適当に!!」
結果:失敗。
でもその後、
Aさん
「お前のせいで失敗したー!!」
友人
「はははすまん!!」
…笑い合った。
ぼく
「失敗を共有できるってすごいな」
2055年は回答が常に正解。
でも正解だらけって
心が揺れない。
5. AIは信頼、
人間は安心
2055年の会話:
ぼく
「AIは信頼できる」
先生
「うむ」
ぼく
「でも安心できる?」
先生
「…難しいな」
AIは論理的。
正確。
効率的。
でも、
安心させるのは
理性じゃなくて、温度。
2025年の人間は
それを分かっていた。
6. レンの結論
最後に、
ぼくはこう書いた。
2025年の人は、悩みを人に話した。
それは、正しい答えを得るためではなく、
ただ「一緒に悩んでくれる誰か」が欲しかったからだ。
相談とは、孤独を分割する行為だった。
ぼくは思う。
AIは孤独を“理解”するけど
人間は孤独を“半分こ”できる。
それは
数字じゃない
解析じゃない
データじゃない
ただ――
人間だからできること。
■ 第9話 完
そしていよいよ!
第10話:それでも…不便な人間たちは、ちょっと羨ましい
最終話です。
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